肝硬変は、通常10年以上にも及ぶ肝機能の壊死脱落の修復過程で生じた高度の線維化と、残存肝細胞が形成した再生結節が肝全体に広汎性に認められる状態であり、多くは、肝が萎縮し硬く表面は結節状です。

また、肝線維化の促進は、門脈圧を著明に上昇させることにより、門脈-肝静脈や肝動脈-肝静脈間の短絡路が形成され、食道胃静脈瘤や胃・十二指腸潰瘍や急性胃粘膜病変の原因ともなります。

肝臓は、通常、予備能および再生能がきわめて大きく、全能力の1/5程度で働いています。ヒトの肝臓の7580%を切除しても、1〜2カ月後には再生し、機能を回復するとされています。

 肝臓は、生体の化学工場ともいわれ、グルコースの合成や貯蔵などの糖代謝、アルブミン、血液凝固蛋白など蛋白の合成、コレステロールの合成や代謝などの脂質代謝、その他排泄・解毒など様々な機能を営んでいます。

肝硬変になると、これらの肝臓の働きが当然悪くなります。一般的に、肝硬変は組織学的に非可逆的な変化です。