肝・循環機能改善剤
慢性肝疾患における肝機能異常の改善
1.慢性肝炎についての二重盲検比較試験
国内36施設における慢性肝炎133例に対して本剤1日40mL、連日1カ月間静注投与を行った二重盲検比較試験では、本剤投与群はプラセボ群に比し有効であることが認められ、肝機能検査項目別ではAST(GOT)、ALT(GPT)およびγ-GTP値の改善が有意の差をもって認められた。
2.慢性肝炎、肝硬変に対する用量別比較試験
国内11施設における慢性肝炎、肝硬変178症例を対象に、本剤40mL/日3週間連日静注投与を行い、2週目のALT(GPT)値が正常上限値の1.5倍以下に改善しなかった症例93例を対象に、40mL/日継続投与群と100mL/日増量投与群との用量別比較試験を行った。その結果、本剤100mL/日増量投与群が40mL/日継続投与群に比し、有意にALT(GPT)値を改善することが認められた。
このことより、40mL/日でALT(GPT)値改善不十分な症例に100mL/日増量投与は有用であることが認められた。
3.一般臨床試験
慢性肝炎に対し、本剤100mLを8週間投与した試験において、肝機能の改善と肝組織像の改善に相関が認められた。
高齢者[低カリウム血症等の発現率が高い]
本剤を肝疾患に対して投与した文献15報789および効能追加承認(慢性肝疾患における肝機能異常の改善)に伴う使用成績調査4,213
例について集計した。
1.ショック、アナフィラキシーショック(頻度不明)
2.アナフィラキシー様症状(頻度不明)
3.偽アルドステロン症(頻度不明)
増量または長期連用により高度の低カリウム血症、低カリウム血症の発現頻度の上昇、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれるおそれがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
また、低カリウム血症の結果として、脱力感、筋力低下などがあらわれるおそれがある。
下記のような症状があらわれることがあり、投与量の増加により血清カリウム値の低下、血圧上昇の発現頻度の上昇傾向が見られる。
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0.1〜5%未満
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0.1%未満 |
体液・電解質
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血清カリウム値の低下、血圧上昇
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浮腫、全身倦怠感、筋肉痛
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その他 |
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発疹、異常感覚、頭痛・熱感 |
臨床での使用経験において、高齢者に低カリウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
グリチルリチン酸または甘草を含有する製剤の経口投与により、横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。