経口B型慢性肝炎治療剤
HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカーの改善
通常成人には,プロパゲルマニウムとして,1日30mgを3回に分けて,毎食後に経口投与する。
HBe抗原陽性B型慢性肝炎患者においてプラセボを対照とした二重盲検比較試験の結果,本剤の有用性が認められた。
投与開始16週目に,ウイルスマーカー(HBe抗原等)を含めた臨床検査を実施し,ウイルスマーカーの改善がみられなかった場合には,他の療法を考慮すること。
1. 薬剤過敏症の既往歴のある患者
2. 重篤な腎障害のある患者
3. 黄疸の既往歴のある患者[B型慢性肝炎の急性増悪等があらわれることがある。]
4. インターフェロン投与終了直後の患者[インターフェロン投与終了後にはウイルス量の増加,肝機能の悪化が起こることがある。]
5. 高齢者
1. 本剤の使用にあたっては,HBe抗原が陽性であることを確認すること。また,トランスアミナーゼ,アルブミン,凝固系,血小板数等を測定し,肝硬変を疑わせる所見を伴わない慢性肝炎であることを確認すること。
2. B型慢性肝炎の急性増悪があらわれることがあるので,次の点に注意すること。
(1)本剤投与開始時
本剤の投与にあたりHBV-DNA(あるいはDNA-P)を測定し,著しい増加がみられないことを確認すること。
(2)本剤投与中
1) HBV-DNA(あるいはDNA-P)を定期的に測定し,著しい増加が認められた場合には,本剤の投与を中止し,適切な他の療法を考慮すること。
2) 肝機能検査を定期的に(特に投与開始直後は2,4,6週)行うこと。
3) 肝機能障害の増悪,黄疸があらわれた場合には,本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4) 本剤服用中に眼球・皮膚の黄染,褐色尿がみられた場合には,直ちに連絡するよう患者に注意を与えること。
3. 本剤の臨床効果を確認するため,下記の点に注意すること。
(1) 本剤投与中は,4週ごとに臨床検査を実施すること。(なお,肝機能検査については投与開始直後2,4,6週に実施すること。[前項参照])
(2) HBe抗原の陰性化がみられた場合は投与を終了すること。
総症例2,079例中,副作用が報告されたのは220例(10.58%)であった。その主な症状は,AST(GOT)上昇46件(2.21%),ALT(GPT)上昇49件(2.36%),倦怠感28件(1.35%),食欲不振19件(0.92%)であった。[承認時及び使用成績調査(1998年6月までの集計)]
B型慢性肝炎の急性増悪
黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う重篤な肝機能障害,肝不全があらわれることがあるので,定期的に(特に投与開始直後は2,4,6週)肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
.過敏症・消化器症状・精神神経系症状・好酸球増多・白血球減少
など