HCVコア蛋白質測定

 

C型肝炎ウイルス量を測定する方法は、「血液中のウイルス遺伝子(HCV-RNA)の数を測定する方法」と「血液中のウイルスに含まれている蛋白質の量を測定する方法」の2つあります。

 

C型慢性肝炎でウイルス量を測定する目的は、インターフェロン治療効果予測やインターフェロン投与開始のタイミングを計るためです。

決してウイルスが多少増えたから病気が悪くなったとか癌になりやすくなった訳ではありません。ウイルス量と病状とは関連はなく、肝炎の落ち着いている方の中にもウイルス量の多い方がおられます。

 

各種C型肝炎ウイルス量測定法の比較

 再現性:(同じ検体を同じ日に2回測定したり違う日に測定して測定結果にばらつきが出るか)遺伝子の検査である、アンプリコアモニター(PCR法)では約2030%のぶれが、b-DNA(プローブ法)でも約1020%のぶれがあるようです。遺伝子が不安定であるのが原因でしょうか。

HCVコア蛋白質の検査は約10%以下で少ないようです。遺伝子ではなく安定な蛋白質を測定しているためでしょう。

再現性ではHCVコア蛋白質の検査が良いようです。ともかく多少のぶれのある検査なので、何度か測定する必要があるようです。

測定感度:どこまで少ないウイルスを検出できるかを見るものです。インターフェロン治療効果判定(ウイルスが完全に消えたかどうかの判断)に有用です。

 

アンプリコアHCV >アンプリコアHCVモニター >HCVコア蛋白 >b-DNA

HCV核酸同定)  

検出限界100IU/ml    1000 IU/ml         8pg/ml    0.35eq/ml

 

セログループ間で感度・特異性にほとんど差がありません。

 

インターフェロン効果予測:著効例のほとんどは50 pg/ml以下で推移。前著効例はインターフェロン治療開始時に20pg/ml以下でした。

大半の無効例は30pg/ml以上で推移し、全例インターフェロン治療開始時に30pg/ml以上でした。著効例の約70%が30pg/ml以下、無効例の約70%が30pg/ml以下でした。30pg/ml以下で無効だった者はセログル−プ1が、30pg/ml以上で著効だった者はセログル−プ2が多いようです。