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◆構造 |
既存IFNα製剤とほぼ同数の166個のアミノ酸残基からなる。その配列は、多数の既存IFNαのサブタイプ(亜種)のうち、各位置で最も頻繁に観察されるアミノ酸を持つように"コンセンサス(一致)"させてある。コンセンサスインターフェロン(一般名:インターフェロンアルファーコン-1/rIFN-αCon1)は、このアミノ酸配列に基づく合成DNAを用い、遺伝子組換え型大腸菌発現系にて産生させたものである。 |
◆設計思想 |
既存IFNαには、それぞれ活性強度の異なる13種類のサブタイプが知られている。これらサブタイプのそれぞれのアミノ酸配列について、各位置で出現頻度の高いアミノ酸を選択すれば有用性の優れるIFNを創薬できるであろうという仮説のもとにデザインされた。 |
◆日本での臨床試験結果 |
■高ウイルス血症患者における有効性 |
難治性と言われるジェノタイプ1b高ウイルス血症(HCV−RNA量100Kcopies/mL以上)に対し、著効を示した。完全著効率(CR率)は16.7%(11/66例)と高く、その中でも特に100〜700(Kcopies/mL)では27.5%(11/40例)と高い効果を認めた。 また、従来のIFNα製剤との比較試験でも、rIFN-αCon1の抗ウイルス作用が優れていることが示唆された。ジェノタイプ1b高ウイルス血症に対する各種IFNα製剤の治療成績を比較すると、既存IFNα製剤で0〜8.6%であったCR率が、rIFN-αCon1では16.7%となった。 |
■低ウイルス血症患者における有効性 |
HCV−RNA量100Kcopies/mL以下の低ウイルス血症に対してもCR率73.3%であった。 |
■IFN再治療患者 |
「かつてIFN治療を受けたものの、最終的にウイルス駆除に至らなかった患者」においても高い有効性が示唆された。再治療患者のHCV-RNAの陰性化率は40.0%(14/35例)であった。 |
■安全性 |
有害事象の多くはインフルエンザ様症状、消化器症状であり、既存のIFN製剤と比較して、本剤に特有な有害事象、本剤に高頻度に認められる有害事象などは認められなかった。 |
(鈴木 宏 他.:肝胆膵.43(2):281.2001) |